「徒然草:花は盛りに」の要点とは
- 作者による、ものの見方や感じ方についての美意識が語られている
- 教養のある人・ない人を比べ、その感じ方の違いを述べている
「徒然草:花は盛りに」の登場人物
- 身分が高く教養深い人
- 情緒深くない人
「徒然草:花は盛りに」の重要な場面
- 花や月、さらに恋愛は、盛りのときだけでなくその前後も趣深いものである
- それらは目で見るだけでなく、心で感じ取るべきものだ
「徒然草:花は盛りに」の内容要約
花や月は盛りのときだけが趣深いのではありません。雨で見えない月を思ったり、部屋の中で春を知らずにいたりするのもいいものです。花の咲く直前の梢や、花の散った後の庭にも見所はあるのですが、情緒深くない人に限って盛りのときだけしか楽しめないのです。
物事は、始めと終わりに趣があります。恋愛の場合も同じで、すぐに終わってしまった恋を嘆いたり、昔の恋を思い返したりすることにこそ情趣があるのです。
月も、満月より明け方に深山の木の間から見える様子や、雲に隠れているほうが趣深く、しみじみとします。
つまり月や花は目で見るだけでなく、心で感じ取るべきなのです。実際に見るだけでなく、心に浮かべることも大切なのです。
身分が高く教養深い人は、あっさりとした態度でそれらを感じます。しかし情緒深くない人は、実際に見て騒ぎ立てようとするのです。
参考
東京書籍『教科書ガイド精選古典B(古文編)Ⅱ部』