「正徹物語:亡き人を恋ふる歌」の要点とは
- 母が亡くなったとき定家は三十一歳、俊成は七十九歳だった
- 同じ人を亡くした二人の、対照的な様子が描かれている
「正徹物語:亡き人を恋ふる歌」の登場人物
- 藤原俊成
- 藤原定家
「正徹物語:亡き人を恋ふる歌」の重要な場面
- 定家が歌を詠んだときは、母を亡くした悲しみを強い思いとしてあらわした
- 俊成が歌を詠んだときは、妻を亡くした悲しみを淡々と詠みあげた
「正徹物語:亡き人を恋ふる歌」の内容要約
定家が、母の亡くなった後に俊成のもとを訪れました。秋風が吹き荒れ、父も心細そうだったので「たまゆらの露も涙もとどまらず亡き人恋ふる宿の秋風(ほんの少しの間でも露も涙もとどまることがありません)」という歌を、悲しみをこめて詠みあげました。
この歌に対し、俊成は「秋になり風の涼しく変はるにも涙の露ぞしのに散りける(秋になっても涙は露のようにとめどなく散ります)」という歌をそっけなく返しました。
定家の悲しそうな様子に比べ、俊成は年齢と「夫」という立場をふまえなんでもないことのように詠んだのですが、これがとても優れていたのでした。
参考
東京書籍『教科書ガイド精選古典B(古文編)Ⅱ部』