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覚えておきたい古文常識:貴族ライフエチケット・チラリズム・クリーニング編の要点
- 「花折る」とはおしゃれのことだった
- 着物の裾をチラ見せする「打出(うちだし)・押出(おしだし)」という演出があった
- 「砧(きぬた)」は着物のクリーニングに使う道具で、秋の季語だった
「挿頭(かざし)」「懐紙(ふところがみ)・畳紙(たとうがみ)」エチケットも風流だった
草や木の枝をおり、髪や冠に挿してアクセサリーにしたことを「挿頭(かざし)」といいます。男性もしました。行事や季節によって草花を変え、風流を楽しみました。「花を折る」とは、「オシャレ」のことを意味します。ポケットティッシュも持っていて、これを「懐紙(ふところかみ)・畳紙(たとうがみ)」といいます。
「打出(うちだし)」「出し車(いだしぐるま)」平安のチラリズム
女性の重ね着は、袖口や裾が美しいグラデーションになるようにしていました。色の組み合わせを「襲目(かさねめ)」といいます。そして、それを、簾(すだれ)や几帳(きちょう)の間からチラ見せして、外にいる人たちの目を楽しませました。これを「打出(うちだし)・押出(おしだし)といいます。牛車の簾からこれをした車を「出し車(いだしぐるま)」といいます。
「張る」「砧(きぬた)」クリーニングは秋の季語
着物が汚れると、手で洗っていたにピンと張って乾かしました。このことを「張る」といいます。そして、そのあと、木のトンカチで叩いてやわらげ、ツヤをだしました。この行為もしくは道具を「砧(きぬた)」で、作業をするのは下仕(しもづかえ)の者です。秋に特に作業が多く、「砧の音」が和歌にもよくでてきます。着物がよれよれになることは、「萎る(なる)」です。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013