「伊勢物語:さらぬ別れ」の要点とは
- 宮廷に仕える息子と、離れて暮らす母の切ない思いが描かれている
- 「さらぬ別れ」とは、「避けては通れない別れ」という意味であり、死別のことを指している
「伊勢物語:さらぬ別れ」の登場人物
- ある男
- 男の母親
「伊勢物語:さらぬ別れ」の重要な場面
- 男は、長岡に住んでいる母に会いたいと思うが、なかなか会いに行くことができない
- 母から「避けることはできない別れを思うと会いたいとより強く思う」という歌が届き、男は胸を打たれる
「伊勢物語:さらぬ別れ」の内容要約
昔、ある男がいました。男の母は天皇の子で、長岡に住んでいます。男は宮廷に仕えていたので、母に会いたいと思っていてもなかなか会うことができません。ところが、ある年の十二月頃にとつぜん母から急用の手紙が届きました。
手紙には「老いぬればさらぬ別れのありといへばいよいよ見まくほしき君かな(年をとると、避けることはできない別れを思って、会いたい気持ちが膨らみます)」と記されていました。
男は泣きながら、「世の中にさらぬ別れのなくもがな千代もと祈る人の子のため(千年でも生きてほしいと祈る子どものため、避けることのできない別れなどなければいい)」と詠むのでした。
参考
三省堂『教科書ガイド高等学校国語総合(古典編)』