覚えておきたい古文常識:貴族ライフ娯楽編の要点
- 「遊び」は「管弦の遊び」「詩歌の遊び」「月見や花見」
- 「蹴鞠」「雛遊び」などは子供の娯楽
- 字が美しいことは重視された
「遊び」は貴族の娯楽会のこと
「遊び」とは、主に管弦の催しのこと。楽器を弾いて、音楽を楽しみました。文学の「遊び」では、和歌や漢詩を気楽に詠み合うギャザリングです。そのほか、月見や花見など、季節の風流を楽しむ催しもありました。
「小弓(こゆみ)」・「蹴鞠(けまり)」は男の子向け、「雛遊び」は女の子向け
「蹴鞠(けまり)」はいまのリフティングです。「雛遊び」は小さな人形のままごとです。どちらも子供の娯楽でした。貴族の遊びは、ほかにも碁、すごろく、なぞなぞ、「鷹狩(たかがり)」など。鷹狩は飼いならした鷹を使ってするハンティングです。
「真名」「仮名」「手習ひ(てならひ)」字は人を表す?
和歌や音楽の素養に加え、字が美しいことも貴族の必修でした。男子は漢字(まな)を、女子は仮名(かな)を美しい手本をもとに「手習ひ(てならい)」しました。「手」というのは、筆蹟を表すことが多いです。字のうまい人を「能筆(のうひつ)」といいます。古文では、藤原佐理(ふじわらのすけまさ)・藤原行成(ふじわらのゆきなり)を知っておくと便利です。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013