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「盗人入りしあと」の要点とは
- 嫌な存在である「泥棒」にまつわる、ほっこりとしたエピソード
- 手紙に残された歌によって、盗人の意外な一面が間接的に判明していく
「盗人入りしあと」の登場人物
- 作者
- 盗人
「盗人入りしあと」の重要な場面
- 戸を開けたまま眠ってしまったため、朝起きて盗人に入られていたことに気付く
- 盗人は何も盗っていかず、書きかけの上の句に下の句を添えて去っていたのだった
「盗人入りしあと」の内容要約
五月雨の深夜、戸を閉めないまま眠ってしまい、目を覚ますと夜が明けていました。外を見ると、濡れた縁に足跡があり、それは部屋の中まで続いています。さらに土塀が崩れていたので、盗人が入ったのだと分かりました。着物を物色した様子も残っていますが、なにも盗られていません。それがかえって、「盗む価値もない」と思われたようで悔しいものです。
ふと見ると、机の上に紙が一枚置かれていました。
手紙には「雨宿りがてら盗みに入ったのですが、これほど貧しいとは思いませんでした。他の家で盗んだものがあればあげたいくらいですが、今は何も持っていません。あなたが書きかけていた『深き夜の雨にまどへるしのび音を』に『やよほととぎすふた声は鳴け』と続けてみました。昔はこのような遊びもしたのですが、今では悪いことをして逃げ回る身です」と書かれていました。
悪い人だと思っていた盗人が、意外にも風流な心を持っていることに驚き、辺りを探しますが見つかるはずもありません。ただ、炊いたお米だけが食べられていたので、もっとお腹いっぱい食べさせてあげれば良かったと思うのでした。
参考
東京書籍『教科書ガイド国語総合(古典編)』