覚えておきたい古文常識:平安美人・モテ編の要点
- 女性は「引き目鍵鼻(かぎはな)」!一重まぶたで下ぶくれの顔が美人だった
- 女性の髪の美しさは大事「黛(まゆずみ)」「歯黒め」などはお化粧のこと
- 「色好み」は恋愛上手な男女のことである
「引き目鍵鼻(かぎはな)」一重まぶたが美貌の証?
平安時代の「大和絵」に描かれている女性は、「引き目鍵鼻(かぎはな)」といい、細い目と小さな鍵鼻がチャームポイントでした。また、顔はふっくらした下ぶくれで、何よりも重要なのは、真っ黒で長い髪!髪が長く美しいことは、美女の必要条件でした。成人した女性は、白粉や口紅でお化粧をしました。眉毛は毛抜きで全部抜き、黛(まゆずみ)で書き直しました。これを「引き眉」といいます。歯は鉄漿(かね:酸化鉄)黒く染めました。これを「歯黒め」といいました。
優美・おっとりな男性がもてた!
男性も、ふくよかな人がもてました。マッチョタイプより、ぽっちゃりしておっとりした容貌の人がもてたようです。でも、今ように見た目重視ではなく、風流心や家柄、官職・身分などが重視されました。
「色好み(いろごのみ)」=もて・恋愛上手 いちばんは風流心
男女ともに、もっとも重視されたのは、風流心や和歌を詠む才能でした。宮中という社交界で生きて行く貴族にとって、風流心や都会的なスマートさはとても大事でした。「色好み」というのは、男性であれ女性であれ、恋愛上手な洗練された人のこと。こういった人はもてますから、「色好み」は「恋愛好き」「遊び好き」の人も指します。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013