覚えておきたい古文常識:結婚編の要点
- 当時は「一夫多妻制」だったので、浮気は当たり前だった
- 恋の思いや恨みは和歌に乗せて送った
- 「おとなし」とは「便りがないこと」「訪れがないこと」だった
「片敷く(かたしく)」=ひとりぼっちの夜…
当時は、布団ではなく、お互いに着ている着物を脱ぎ、重ねてその上で共寝をしました。二枚の着物の一枚だけを引いて寝ることを「片敷く(かたしく)」と言います。「片敷く」とは、パートナーに会えず、寂しい夜を過ごすこと。そんな時はひとりぼっちの夜の寂しさを、和歌に読んで相手に送りました。
「おとなし」=連絡がない状態
男性が来てくれなくなってしまった状態を「音無し」といいます。「音」は「音・音色、噂・評判、連絡」などの多くの意味を持つ古典単語ですが、「音無し」(おとなし)は「連絡がない、音沙汰がない」と訳します。「おとなしい」という意味ではないので注意!
離婚→再婚→「新枕(にいまくら)」
初婚でも再婚でも、はじめての夜を過ごすことを「新枕(にいまくら)・新手枕(にいたまくら)」といいます。再婚の場合、三年間男性が通ってこなければ自然消滅と見なされ、女性は他の男性の求婚を受け入れてもよかったのです。三年間はもとの夫を待たないと新しい恋愛はできませんでした。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013