「伊勢物語:渚の院」の要点とは
- 不幸を背負った三人が、桜のきれいな場所で上下関係なく歌を詠み合う
- 馬頭と紀有常が贈る歌の内容に、親王への敬意が溢れている
「伊勢物語:渚の院」の登場人物
- 惟喬親王
- 馬頭
- 紀有常
「伊勢物語:渚の院」の重要な場面
- 桜がきれいな時期、渚の院でお酒を飲みながら和歌を詠むことに熱中していた
- 次に天の川で、馬頭が詠んだ歌に親王はとても感動した
- 親王が寝ようとしても、二人は引き止めるような歌を詠み楽しい時間を惜しんだ
「伊勢物語:渚の院」の内容要約
惟喬親王、馬頭、紀有常の三人は、それぞれ不幸な立場にいました。だからこそそれぞれの痛みが分かるため、渚の院で上下関係は抜きにしてお酒を飲みながら歌を詠むという遊びに熱中しました。渚の院から戻る途中、天の川という場所に着きそこでもまたお酒を飲みながら歌を詠み合います。
親王が「交野を狩りて天の川のほとりに至る」というお題で歌を詠めと言うと、馬頭は「思いがけず天の川にきてしまいましたから織姫に宿を借りましょう」という意味の歌を詠みます。あまりに良い歌だったため、親王は返事をすることも忘れて感激してしまいます。
その後、ついに酔っ払った親王が眠りにつこうとすると、二人はそれを惜しみ引き止めるような歌を詠みます。馬頭も紀有常も立場としては親王を休ませてあげなければならないのですが、身分など関係なく親王を敬い、心を通わせあって楽しんでいた二人にとって、親王が眠ってしまうことは単純にさみしいものなのでした。
参考
東京書籍『教科書ガイド精選古典B(古文編)Ⅰ部』