「古今著聞集:能は歌詠み」の要点とは
- 花園の左大臣の家に、和歌を詠むのを得意とする侍がいた
- 一見間違いのような内容も、見事な歌にまとめあげた
「古今著聞集:能は歌詠み」の登場人物
- 花園の左大臣(源有仁)
- 侍
- 紀友則
「古今著聞集:能は歌詠み」の重要な場面
- 秋、キリギリスの鳴き声を楽しんでいた左大臣が侍に歌を詠ませる
- 侍が春を象徴する「青柳」という言葉を使ったので、季節が違うと笑いが起きる
- 侍はその後季節の移り変わりを詠み、秋の歌としてまとめあげる
「古今著聞集:能は歌詠み」の内容要約
花園の左大臣の家に、和歌を詠むことを得意とする侍がいました。
ある秋の日、左大臣がはたおり(キリギリス)の鳴き声を楽しんでいると侍がやってきました。左大臣が「何か歌を詠んでみろ」と言うと、侍は「青柳の…」という言葉からはじめていきました。「青柳」は春の季語であるため、その場にいた人は「季節が違うじゃないか」と笑いましたが、左大臣が「最後まで聞かずに笑ってはいけない」ととがめ続きを詠むように命じると、春から夏、そして秋と季節の移り変わりを詠んだ歌でした。左大臣は感動して、侍に褒美を与えました。
同じように寛平の歌合で友則が詠んだ際にも初句を聞いて周囲の人は笑いましたが、二句以降を聞いて静まり返ったことがありました。花園の左大臣と侍の話も、同じなのです。
参考
東京書籍『教科書ガイド精選古典B(古文編)Ⅰ部』