覚えておきたい古文常識:貴族ライフ食事・乗り物・お香編の要点
- 食事は朝夕二回
- 乗り物は「輿」と「牛車」
- お香は「薫物」といった
「御粥」「強飯(こわいい)」貴族の食事
貴族の食事は朝夕二回、「御粥」(今のごはん・おかゆ)と「強飯(こわいい)」(いまのおこわ)を中心に、生物(さしみ)、乾物、季節の野菜などが中心でした。都は海から遠いので、魚干物や塩漬けにして運びました。冬の野菜も貴重で、「若菜」といって早春の雑草は贈り物にするほど。現代の「春の七草」にそのなごりがあります。
乗り物は「輿(こし)」「車」
「輿(こし)」はひとが運んだ屋形型の乗り物です。いまの「おみこし」は、神様が乗る乗り物ですが、「御輿(みこし)」と書くと、天皇の乗っている輿になります。牛が引く車を「牛車(ぎっしゃ)」といい、皇族から地下まで広く利用されていました。「徒歩(かち)」というのは歩くこと。読み方は「かち」です。
「薫物(たきもの)」デオドラントはお香 昔はいまほど頻繁に入浴できないので、匂いをお香でごまかしました。お香を「薫物(たきもの)」といいます。「火取(ひとり)」という香炉に入れ、上から「伏籠(ふせご)・籠(こ)」という籠をかぶせ、その上に着物をかけて香を染み込ませました。髪の毛は米のとぎ汁をつけて櫛で梳きました。とぎ汁を入れておく器を「泔坏(ゆするつき)」といいます。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013