平安時代の成人式の要点
- 平安時代は12歳ぐらいで成人した
- 男子の成人式は元服・初冠・冠といった
- 女子の成人式は裳着といった
元服・初冠(うひかうぶり ウイコウブリ)・冠(かうぶり コウブリ)とは
皇族や貴族の息子たちは、12歳前後で成人式を迎えました。これを「元服」いいます。子供のうちはおかっぱ頭だった髪型を結って頭に「冠」を載せます。冠は一人前の証であり、元服で初めてつけることが許されるため、この儀式を「初冠」ともいいます。元服のあとは、貴族の息子たちは宮中に働きに出ます。彼らは将来を約束されたエリートですから、新人でも「五位」という位をもらいます。
裳着(もぎ)とは
皇族や貴族の娘たちの成人式も、12歳ぐらいでした。日取りは、結婚を控えた頃を見計らって決めました。オトナになるということは、結婚できる年齢であることを意味しました。オトナになった証に、「裳(も)」という腰から下に、背中側に垂らしたプリーツの布を付けました。唐衣(からぎぬ)というのは、十二単の一番上に来た正式な着物で、これ着て裳をつけると正装になります。成人した女性はお化粧をして、顔を隠すため扇を持ちました。
参考
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013