「風姿花伝 年来稽古条々」の要点とは
- 能楽評論として、能の世界の教えが語られている
- 能だけではなく、すべての人の成長について同じことが言える
「風姿花伝 年来稽古条々」の登場人物
- 十七、八歳ごろの少年
- 二十四、五歳ごろの人
「風姿花伝 年来稽古条々」の重要な場面
- 十七、八歳ごろは人生の転換期になるが、今を大切に稽古しつづけるしかない
- 二十四、五歳ごろには成功することもあるが、謙虚に生きなければならない
「風姿花伝 年来稽古条々」の内容要約
十七、八歳のころは難しい時期で、少年期とは声や姿も変わり転換期となります。これまでの魅力(花)を失い、観客から笑われる恥ずかしさなどもあり、意欲を失ってしまいがちです。
この頃の稽古では「一生の分かれ目は今だ」という意識を持って、人に笑われても気にせずに稽古を続けるしかありません。ここで諦めては上達しません。
二十四、五歳になると、能を成功させるための条件が定まり、芸が確立しはじめます。
この時期は注目も集まり、他の人に勝つこともあります。しかしそれはあくまで若さゆえの、一時のものです。
一時的な成功で、能を極めたように勘違いしてはいけません。未熟な段階であることを理解して、いっそう稽古に励むべきです。
参考
東京書籍『教科書ガイド精選古典B(古文編)Ⅱ部』