「土佐日記:忘れ貝」の要点とは
- 愛しい人を忘れられるという「忘れ貝」へ、亡くした子への思いを託した歌が詠まれる
「土佐日記:忘れ貝」の登場人物
- 船頭
- ある人
- 子どもを亡くした人
「土佐日記:忘れ貝」の重要な場面
- 船頭は天気を予測できず、一日船を出さないままでいた
- 浜辺に落ちていたきれいな貝を見て、子どもをなくしたつらさを歌に詠む
「土佐日記:忘れ貝」の内容要約
二月四日、船頭が「天候が悪いので船を出さない」と言いました。しかし一日中風さえも吹きません。船頭は天気の予想さえできない愚か者です。
この港の浜には、美しい貝や石がたくさんあります。そこで船にいる子どもを亡くしてしまった人が「寄する波打ちも寄せなむわが恋ふる人忘れ貝下りて(波よ、忘れ貝を打ち寄せてください。そうすれば私は、亡くした人を忘れられるという忘れ貝を拾ってきますから)」と詠みました。
するとある人が耐え切れず、「忘れ貝拾ひしもせじ白玉を恋ふるをだにも形見と思はむ(忘れ貝なんて拾わない。せめてあの子を思う気持ちを形見と思おう)」と返しました。亡くなってしまった女の子のことは、いっそう可愛らしく思えるものなのです。
参考
三省堂『教科書ガイド高等学校国語総合(古典編)』