助動詞「む(ん)」「むず(んず)」の要点
- 助動詞「む(ん)」「むず(んず)」には推量・意志・適当勧誘・婉曲・仮定の意味がある。
助動詞とは
付属語で活用する単語を「助動詞」という。
助動詞「む(ん)」「むず(んず)」の意味
助動詞「む(ん)」「むず(んず)」には、主に次の意味がある。
推量
訳:「~だろう」
意志
訳:「~しよう・~したい」 適当勧誘
訳:「~するのがよい・~なさい」
婉曲
訳:「~のような」
仮定
訳:「~として、その……」
助動詞「む(ん)」「むず(んず)」の活用
助動詞「む(ん)」「むず(んず)」は、次のように活用する。
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|
む (ん) |
○ | ○ | む (ん) |
む(ん) | め | ○ |
むず (んず) |
○ | ○ | むず (んず) |
むずる (んずる) |
むずれ (んずれ) |
○ |
助動詞「む(ん)」「むず(んず)」の接続
「む(ん)」 :未然形に接続
「むず(んず)」:未然形に接続
婉曲・仮定の用法
婉曲・仮定の用法が用いられるのは、直後に名詞がくる場合、または、名詞を補う必要のある場合のみであるため、必ず連体形で用いられる。
例
風吹かむ折
風が吹くようなとき/風が吹くとして、そのとき
助動詞「む」「らむ」「けむ」の推量表現の違い
助動詞「む」「らむ」「けむ」は、未来、現在、過去とそれぞれを推量する時間軸が異なる。
「む」 :未来の事柄を推し量る
「らむ」:現在の事柄を推し量る
「けむ」:過去の事柄を推し量る
参考
「必携古典文法ハンドブック」Z会出版2011年
「古文文法問題演習」河合出版2015年