覚えておきたい古典常識:普段着ファッション編の要点
- 「ころもへん」のつく漢字の読みを中心に覚えよう
- 男子の普段着は「直衣(のうし)」「指貫(さしぬき)」
- 女子の普段着は「小袿(こうちぎ)」
平安メンズファッション「直衣(のうし)」「狩衣(かりぎぬ)」「直垂(ひたたれ)」
男性の普段着は、「直衣(のうし)」「指貫(さしぬき)」です。直衣がジャケット、指貫がモンペ風ズボンです。束帯が「昼装束(ひのしょうぞく)」として昼間に着たのに対し、直衣は夜勤の時にも来ましたので、「宿直装束(とのいしょうぞく)」ともいいます。武士や庶民が着たのは「直垂(ひたたれ)」です。「狩衣(かりぎぬ)」は、本来はスポーツウエアでしたが、貴族が普段着としてもきました。
「唐衣(からころも)」を脱いでも重ねてる!女性の略装「小袿(こうちぎ)・袿(うちぎ)」
十二単の一番うえの唐衣(からころも)を脱いだ姿を「小袿(こうちぎ)・袿(うちぎ)」といいます。小袿は女性の略装でした。もちろん、何枚もの着物を重ねていますので、普段着といってもかなりの重さでした。
読みが重要「御衣(おんぞ)」「単(ひとえ)」「下襲(したがさね)」「袷(あわせ)」など
男性も女性も多くの着物を重ね着していました。「単(ひとえ)」「衵(あこめ)」「下襲(したがさね)」「袍(ほう)」「袷(あわせ)」「袴(はかま)」「打衣(うちぎぬ)」などです。衣服全体を「御衣(おんぞ)」「装束(しょうぞく)」といい、身分の高い人からいただく(「たまはる」)最高の褒美でもありました。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013