覚えておきたい古文常識:宮中お仕事地方編| 国守,国司,太宰府,女房

覚えておきたい古文常識:宮中お仕事地方編の要点

  • 「 国守(くにのかみ)」・「国司(くにのつかさ)」は地方知事
  • 九州だけは「太宰府(だざいふ)」が政治を行った
  • 国守や国司の娘は「女房」として出仕した

「国守(くにのかみ)」「国司(くにのつかさ)」「受領(ずりょう)」=地方知事

「国守(くにのかみ)」「国司(くにのつかさ)」「受領(ずりょう)」は、歴史学的には異なりますが、古典では、どれも地方国の長官です。「〜守(かみ)」「〜介(すけ)」という形で登場することもあります。多くの国守・国司は昇殿を許されない「地下(ちげ)」の身分でした。

九州は「太宰府(だざいふ)」が統治

九州の国々の管轄は「太宰府(ださいふ)」という統治機関がおかれました。「帥(そち)」「権帥(ごんのそち)」が太宰府の長官です。「帥」は親王がなることが多く、「帥宮(そちのみや)」といいます。菅原道真のように、大臣が左遷されて「権帥」になるケースもあります。

国守・国司が女性のときはその娘=女房のこと

国守・国司は、地方に赴任します。任期は4年でした。娘がいる場合は、宮中に出仕させました。娘は女房「にょうぼう」として高貴な身分の女性に仕えました。これは、もしも娘が宮中で貴族の男性と結婚できれば、父親も出世できたからです。女房たちの呼び名はそのまま「家族で一番出世した国守など」でした。

参考文献

 荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013

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