助動詞「らむ」「けむ」の要点
- 助動詞「らむ」には、現在推量、現在の原因推量、現在の伝聞・婉曲の意味がある。
- 助動詞「けむ」には、過去推量、過去の原因推量、過去の伝聞・婉曲の意味がある。
助動詞とは
付属語で活用する単語を「助動詞」という。
助動詞「らむ」の意味
助動詞「らむ」には、主に次の意味がある。
現在推量
訳:「今頃は~しているだろう」
現在の原因推量
訳:「どうして~のだろう」
現在の伝聞・婉曲
訳:「~という・~ような」
助動詞「けむ」の意味
助動詞「けむ」には、主に次の意味がある。
過去推量
「~ただろう」
過去の原因推量
「どうして~たのだろう」
過去の伝聞・婉曲
「~たという・~たような」
助動詞「らむ」「けむ」の活用
助動詞「らむ」「けむ」は、次のように活用する。
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|
らむ | ○ | ○ | らむ | らむ | らめ | ○ |
けむ | ○ | ○ | けむ | けむ | けめ | ○ |
助動詞「らむ」「けむ」の接続
助動詞「らむ」「けむ」は次のように接続する。
「らむ」:終止形に接続、ただし、終止形が「り」で終わる語は連体形に接続
「けむ」:連用形に接続
助動詞「む」「らむ」「けむ」の推量表現の違い
助動詞「む」「らむ」「けむ」は、未来、現在、過去とそれぞれを推量する時間軸が異なる。
「む」 :未来の事柄を推し量る
「らむ」:現在の事柄を推し量る
「けむ」:過去の事柄を推し量る
参考
「必携古典文法ハンドブック」Z会出版2011年
「古文文法問題演習」河合出版2015年