覚えておきたい古文常識:恋愛告白編の要点
- 男性は噂や垣間見によって女性を知った
- まずは和歌をやりとりした
- 親が和歌のやりとりを代詠することもあった
まずは「のぞき」?「垣間見(かいまみ)」「聞こえ・音」
平安時代の女性は肉体関係を結ぶまで、相手に顔を見せませんでした。そこで、男性は、噂やのぞきによって女性を口説きました。噂のことを「聞こえ・音」と言い、「のぞき」のことを「垣間見」と言います。今は「のぞき」は性犯罪ですが、当時は当たり前のことでした。
「文(ふみ)・懸想文(けそうぶみ)」大切なのはラブレター
評判を聞いたり、「垣間見」によって得た情報をもとに、男性は女性にラブレターを送りました。これを「文(ふみ)・懸想文(けそうぶみ)」と言います。ラブレターは和歌の形をとりました。高貴な男性は部下や召使の童に恋文をもたせて届けさせます。女性は、返事を和歌にして返しました。これを「返歌」「返し」と言います。
和歌の「代詠(だいえい)」えっ!親チェックあり!?
結婚は、一族の繁栄をかけた一大事ですから、「文」は親や兄弟がチェックして、本人の代わりに返事を出すこともありました。そのほか、女性の身の回りにいた「女房」などの中に上手に和歌を読める人がいる場合は、本人に代わって返事を作りました。これを「代詠(だいえい)」といいます。
参考文献
荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』学研 2013